今後の事業計画と展望を明確化し、全社員へ浸透

〜ワイヤーハーネス加工、電子機器組立(韮崎市)〜

✦相談のきっかけ

相談者は新規事業の成長が見込まれたことから、プロフェッショナル人材戦略拠点を通して将来の幹部候補者を採用した。次の段階として、事業拡大の展望を社員に浸透させていく必要性を認識。そこで、事業計画の策定をアドバイス出来る専門家として、よろず支援拠点のコーディネーターを紹介されたことで相談することに至った。

✦課題整理・分析

社長が新規事業の営業を積極的に行い、今後多くの受注増が見込まれている。しかし、その全体像は社長と常務のみ把握しており、リーダー層、一般社員はそのことが理解できていない。逆に仕事や作業が増えていく状況に彼らに不満や不安が出てきており、先の展望が見えない状況は不平不満だけが増大していく状況にあった。

✦解決策の提案

・社長や常務に現在の状況、客先の状況、予想される展開など、質問とヒアリングを繰り返して、状況を整理し、明確化した。
・ヒアリングした内容を受けて、客観的なアイデアや手法を提案することにより、キーとなる指標のあぶり出しを行った。
・発表資料のたたき台を提案し、それを元に社長が資料を完成させることとなった。

✦成果

・社長と常務に対し、コーディネーターがヒアリングと状況の見える化を行ったことにより、社長と常務の頭の中でそれぞれに曖昧なイメージだけであった今後の事業展望が、達成する期限、売上高、必要な設備、必要な従業員数など、数字を伴った形で明確になり、基準となるものが出来上がった。これにより、社長、常務がいつまでに、何を、しなければならないのか、明確化することが出来た。
・また、会社全体でいつまでに、どのような状態になることが必要なのか明確化出来た。これにより社長と常務の間に、今後の事業に関することを共有できる様になり、双方の思い込みのズレを無くすことが出来た。
・さらに、これまで曖昧な状況であったため、実行策において、疑問点などがあまり出てこなかったが、具体的な数字を伴った形で明確化されたことにより疑問点が明確になったことから、その疑問に対する議論が社長と常務の間で出来るようになり、選択・判断・実行策が明確に決められる様になった。現在、たたき台資料を元に、社長が資料の完成を進めている。
・今回の内容を元に、新年度になったタイミングで、全社員を集めて、経営計画発表会を行う方向で進んでいる。そこで、社長から全社員にプレゼンテーションして、今後の展望を伝え、全社一丸となって、事業を成長させていく予定である。また、この内容を社員だけでなく、関係する金融機関にも向けて説明し、金融機関との関係性もより強固なものにして行く予定である。