事業承継の方向性を明確化し、事業の安定化へ~有限会社マウンテンピア~

最終更新日:2026年1月12日
事業承継の方向性を明確化し、事業の安定化へ~有限会社マウンテンピア~

【相談概要】

有限会社マウンテンピアは、釣り具(主にルアー)の製造・卸売を行う企業です。コロナ禍以降の釣りブームを追い風に業績は安定して推移していましたが、先代代表の急病をきっかけに、「事業承継をどう進めるか」が急務となりました。

法人と個人事業が併存していたため承継スキームが複雑になる可能性があり、山梨県よろず支援拠点へ総合的な相談をいただきました。

【事業者概要】

  • 会社名:有限会社マウンテンピア

  • 所在地:山梨県甲府市

  • 事業内容:釣り具(ルアー)製造・卸

  • 従業員規模:20名以下

長年にわたりメーカー向けに製造・供給を行い、品質と信頼で事業を拡大。一方で、パート・アルバイトが多い体制のなか、労務管理や最低賃金引上げ対応など、経営管理の相談も継続的に受けていました。

【相談のきっかけ】

2025年3月頃、先代が急病となり、「もしもの場合、事業はどうなるのか」 という不安が一気に現実味を帯びました。

加えて、法人(有限会社)、個人事業主の 2つが同時運営されている 状態で、売上の大半は個人事業側に計上されていたため、口座凍結や廃業リスクなど、事業継続に重大な影響が出る懸念がありました。このため、今後の最善策を整理するため、山梨県よろず支援拠点への相談となりました。

【相談者の状況(財務・経営)や課題内容】

ヒアリングを進める中で、次の点が浮き彫りになりました。

✅ 個人事業と法人が併存し、承継手続きが複雑

✅ 個人事業側に売上が集中し、急病時の口座凍結リスク が高い

✅ 税務・財務・融資への影響が不透明

✅ どの承継スキームが自社に最も適しているのか判断が難しい

このため、「できるだけリスクを抑えつつ、事業継続を最優先に考える体制づくり」が必要と整理しました。

【コーディネーターの支援方針・相談者の対応】

山梨県よろず支援拠点だけで抱え込まず、以下の専門機関と 連携型支援 を実施しました。

[事業承継・引継ぎ支援センター]

・ 承継スキームのメリット・デメリットを整理

・ 将来のトラブル回避を視野に助言

[税理士]

・ 贈与税・譲渡税など税務リスクの検証

[金融機関]

・ 借入金承継、資金繰りの影響を確認

・ 交渉の進め方を助言

複数回の協議の結果、「個人事業から法人(有限会社マウンテンピア)への事業譲渡」 を軸とする方針に決定。

その後も、登記変更・契約整理・資産移転などの具体手続きについて、1つずつ丁寧に支援を続けました。

[支援のポイント・気をつけたこと]

✅ 小規模事業者が突然直面した大きな課題であることを踏まえ、伴走型支援 を徹底

✅ COだけで抱え込まず、専門機関の知見を積極的に活用

✅ 焦らず、しかし止まらないペースで、手続きの順序と優先順位 を整理

同時に、日常の労務・経営相談も継続し、日常運営への不安を和らげるよう心がけました。

【成果・定量的成果、今後の展望】

✓成果

・ 事業承継の方向性が明確化

・ 個人事業リスクを軽減し、事業継続性を確保

・ 金融機関・税理士など関係者との体制づくりが前進

さらに、今後は息子である河野秋仁氏が法人の代表として事業を担い、次世代へとつながる経営基盤 が整いつつあります。

✓今後

・ 承継完了後は、売上・収益改善へ本格的に取り組む

・ 経営管理や人材体制の強化を継続

事業承継を“通過点”として、次の成長フェーズへ進む準備が整いました。

【相談者の声】

会社にとって初めての経験で戸惑いも多かったですが、よろず支援拠点や関係機関のサポートにより、これまで不明確だった問題に道筋をつけることができました。